トップ 実験観察 自作器具 雑学 雑文 水槽紹介 自己紹介 過去画像 掲示板 リンク 《やさしい濾過概論》
ろかがいろん:濾過についての要約


排泄物の話です。気にする方は、お食事前には読まないように(笑)

私たちは、いろいろな美味しい物を食べます。
そして排泄します。
口から入った食べ物のうち、体の中で消化吸収されなかった部分を排泄するわけです。
排泄された「物」は、食べた物とは似ても似つかない「物」ですね。

その排泄物を「美味しい」と思って食べる動物もいます。
(世界には、人間の排泄物を食べさせる為に豚を飼う地域もあります)
(そして人間が豚を食べる)
また、排泄物を喜んで食べる昆虫もたくさんいます。
そして、その動物や昆虫も消化吸収しなかった部分を排泄します。
それは、人間が食べた物と排泄物が非常に異なっているのと同じように、
違う「物」となって排泄されます。
それを更に小さな生き物が食べては排泄し、
やがては、人間の目には見えない微生物の食料となるのです。
このようにして排泄物は、だんだんと初めとは全く違う形に分解されていきます。

土や水の中には、
「バクテリア(細菌)」と呼ばれるたくさんの種類の微生物が存在しています。
種類ごとに食料とする物質が違います。
そこに、特定の物質が増えたとします。
(例えば…ゴキブリが糞をした…とか) 我ながらなんて例えだ(-_-;)
その物質(ゴキブリの糞)を食料とするバクテリアが増えて(食料が多いから)、
どんどん分解します。
すると今度は、さらにそのバクテリアの排泄物を食料とするバクテリアが増えて、
さらに分解が進みます。
そしてまたさらに…
という具合に、「汚くない物」へと変わっていきます。
これを人為的に行っているのが、浄化槽や下水処理場です。

私たちが魚を飼っている水槽の中でも、同じ現象が起きています。
ネット上では、よく「濾過バクテリアが…」という表現を目にしますね。
しかし、「濾過バクテリア」という名の、特定の細菌が存在するわけではありません。
水槽ごとに、入っている魚の種類も数も違います。
水槽の大きさも、底砂の種類も量も、水草の種類も量も違います。
照明の明るさ、点灯時間、ランプの種類も違います。
換水する時の水質だって、自治体ごとに違いますし、地域によって気候も違います。
(他にも水槽ごとに違っていることだらけですね)
ですから、水槽ごとにバクテリアの種類も数もまちまちなのです。
いろいろなサイトの質問コーナーで
「あなたの水槽に適した濾過バクテリアが繁殖します」
と回答されているのは、この事を言っているのです。

ここまで読めば、濾過器の中では何が起きているのか、もうおわかりでしょう。
濾過器は「ミニ浄化槽」のような物です。
魚の排泄物を「汚くない物」に分解してくれる、大切な機構です。
絶妙なバクテリアのバランスで成り立っています。
バクテリアのバランスが大きく崩れると、水質が一気に悪化する恐れがありますから、
水槽の手入れについて
・換水は一度に1/3程度
・濾材の洗浄に、熱湯は使わない(できたら水槽の水で洗う)
・換水と濾材の洗浄を、一度に行わない
と言われているのです。

魚を飼育している水槽とって
濾過とは何か
少しは理解できましたか?
もっと詳しく知りたい方は、掲示板ででも質問してください。
私にお答えできる範囲で回答したいと思います。
もしくは、わかりやすく解説したサイトを紹介させていただきます。


難しく考える必要はありません。
「濾過ってだいたいこんなもの」
頭の中にあるだけでいいのです。
あとは実践あるのみ(^^)
急激な変化を避ければ大丈夫です。
しっかりと水と魚を観察して、「目」を養いましょう。